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タイム・スリップ  [作者:えりんこ]

■ 〜38章〜

宴会は無事に終了した。

「お疲れ〜!草野、一緒に帰ろうぜ!」

「あ!ゴメン・・・ちょっと未来ちゃんに付き合うから。」

「じゃあ、俺も〜!」

明浩が正宗の後ろを走ってきた。

「未来!田村もいいの??」

「はい!じゃあみなさん呼んできますので、少し待っててください!」

未来はそれを言い残すと、テツヤと龍男を呼びに行った。

そして、全員を連れてあるところへやってきた。







「ここ、どこだか分かりますか??」

「ここ、俺がもう20年も前かな〜?一応住んでた。」

正宗がボソっと喋った。

「もしかして住んでいたのって、ここの部屋ですか?」

裏に回り、未来が2階の端の部屋を指差した。

「な、なんでわかるの??」

「分かるのなんの、今私が住んでます!」

「え・・えええええええええええっっっ!」

全員驚きを隠せない。

「じゃあちょっと来てください!」

2階へ続く階段を上った。

「ほら。「ひなた」って書いてありますよね!」

「ほ、本当だ!! すげえ!偶然かよ!」

明浩が驚いて口を動かす。

正宗はただただじっとその部屋を眺めていた。

そして、未来が口をあけた。

「だから20年前にタイムスリップしてみなさんのところへいけたと思います!」

「いつでも来てください!」

「じゃあ、行かせてもらうよ!」

正宗は言われた瞬間にドアを開こうとした。その時テツヤに頭を軽くはたかれた。

「お前!女の子の部屋にむやみに入るなよ!」

「・・・へぇ〜い。」

正宗は力なく返事をした。

「じゃあそろそろ!」

龍男がきりあげた。

「はい!じゃあ、お元気で!!」

「ほら!草野!行くぞ!」

うずくまっている正宗を明浩は説得した。

「え〜。もう行くのぉ〜? 未来の部屋、のぞきたいなぁ〜。」

「おい変態!!何を言ってるんだ!とっとと行くよ!」

明浩が正宗の頭を軽くはたいてアパートから出ようとした。

「でも、いいですよ。今晩ぐらいは。」

「いいの??ゴメンなぁ。正宗が迷惑掛けるよ・・・」

「お、お願いします!」

4人が未来に頭を下げた。

「はーい!わかりました!」

未来はニコリと返事をした。そして残りのメンバーは帰っていった。


「正宗さん!今晩だけですよ!分かりましたね!」

「・・・はーい。」

あまりにも強く言われたので正宗は少しビックリして小さく返事をした。


どうやら布団は2枚敷いてあるようだ。

未来はくたくたでもうすっかり寝ているようだ。

そんな未来の無防備な姿を見て、笑った正宗も未来の隣で眠りについた。



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