タイム・スリップ
[作者:えりんこ]
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〜12章〜
ドアを開けると、そこにはこちらに驚いている未来の姿があった。
「な、なんですか!い、今更!」
未来はケンカごしで正宗に言った。
「い、いいじゃん!う、うるさいな!!」
正宗も未来に負けじとイヤミたっぷりで答えた。
すると、2人は黙り込んでしまった。
そして、何分かたったとき、その沈黙は破られた。
「あ。正宗じゃん。元気だったか〜。あれ他の奴等は?」
誰だか知らない人が、のこのこと部屋に上がりこんできた。
「な、なんだよ!俺になんか用かよ!!」
「ちょっと立ち寄っただけさ。 おい。この子誰だよ。 お前の女か?」
「ち、ちげぇーよ。うるせぇなぁ! とっとと出てけ! 二度と来んじゃねーぞ!」
「はいはい。分かった。分かった。出てきゃいいんだろ。 じゃあな〜。」
ドアが閉まった。
正宗が無性にカリカリしていた。理由など分からない未来は、ただ呆然と正宗を見ていた。
すると、ドアが開いた。
「ただいまー。あいつ来ただろ。」
出かけていた3人が帰ってきた。
どうやら、3人も理由を知ってるようだ。
「あ、あの。あの人って誰なんですか?」
未来は言った。すると、明浩が小声でこう話した。
「あいつはね。正宗のいとこなんだよ。 今デビューしたばかりで、メチャクチャ調子に乗っててさ。
そんで、正宗の彼女取ったんだよ。」
「えぇええ!」
もう未来は驚きを隠せない。でも大声で叫べない空気だった。
カリカリしている正宗を見るのは少し嫌だった。
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