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タイム・スリップ  [作者:えりんこ]

■ 〜5章〜

うつむいて歩いていた未来の耳にベースやギター、ドラムの音が聞こえてきた。
その時、未来に正宗が話しかけた。

「俺が入っているバンドなんだ♪ あとで友達を紹介するからそこで座っててくれる?」
未来は正宗の言うとおりにそこにあった椅子に腰をかけた。

「おせぇーぞ〜。ん?その子は誰? もしかして・・・。もしかすると??」

ギターを弾いていた人が演奏をやめて、正宗に話しかけた。

「ちがうちがう! ちょっとね・・・。」

こんな会話を聞いていた未来は、少し前を向いて話を聞いていた。
正宗達もこっちに気づいたようだ。

「大丈夫?自己紹介してもらってもいいかな?」

と、正宗が未来に声をかけた。
「は、はい・・・。」
未来は、小さく返事をした。

「おーい!みんな集まって!これから自己紹介をしましょう!」

と、正宗はメンバーの人に呼びかけた。
そして、正宗は未来の肩をポンと叩いた。

「じゃあ。お願いします!」

「ひ、日向、み・未来ですっ!よろしくお願いします!!」

心臓のドキドキが止まらなかった。
メンバーの人は自分を認めてくれるだろうか。という不安な気持ちが頭をよぎった。
すると、

「よろしくね!」

という暖かい声が未来に聞こえた。思わず嬉しくなり、未来の顔が笑顔を取り戻した。

「ではでは、俺から行くね! 俺は草野正宗。ボーカルやってます!よろしく!」
「んじゃあ、次は俺! 三輪テツヤで〜す。ギターをやってま〜す。ちなみに好きな食べ物は寿司だ!よろしく!」
「次ね! 俺は田村明浩です! ベースやってます! 好きな食べものはカレーです! よろしくおねがいします!」
「最後は俺! 崎山龍男です! ドラムやってます! 好きな食べものは、肉全般! よろしくおねがいします!」
最後に、正宗が締めくくった。

「これがスピッツメンバーです!よろしくね!」

「はいっ!」

未来は、これからどうしようという不安も忘れてスピッツのメンバーと話していた。

楽しそうな未来を見た正宗の心はキュンとなった。
「これって何だ!?」

こんな楽しいひと時もつかの間。やっと我に帰ることのできた未来はふと考えた。

「家・・・。どうしよう。」

また不安がもどっってきた。 するとそこへ正宗がやってきた。

「帰れる所ないよね! 俺ん家でよかったらしばらくは泊めて上げられるんだけど・・・。どうかな? やっぱり俺の部屋じゃダメだよね・・・。」

少しビックリした未来は間をおいて話し始めた。

「いいんですか!? 泊めてもらえるだけで、それで十分です! ありがとうございます。」

帰れるところが見つかって、未来はホッとした。

「では、今日はこれで解散!明日ライブもあるしね!」
ということで、6人は帰った。

正宗と未来は仲良く話しながら、テツヤと明浩、龍男は噂話をしながら。

「あの2人、怪しいよな。」
「確かに。」
「絶対正宗、未来ちゃんに惚れてるよね。」
「その可能性大だね。」

「ヘックション! 誰かうわさしてるのかな〜。」
正宗が小さなくしゃみをひとつした。



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