タイム・スリップ
[作者:えりんこ]
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〜23章〜
「あ!みなさん!」
未来は驚いた。
「よっ!正宗元気か??」
テツヤが部屋を覗いた。
「お前も未来ちゃんに甘え放題だな〜。」
明浩が正宗をからかった。
「あ、甘えてなんかないさ!」
正宗はあわてて否定した。
「どーせ、俺らが来る前に未来ちゃんにおかゆとか食べさせてもらってたんだろう??」
龍男が正宗のほうを見て、ニヤニヤしながら言った。
「・・・。」
正宗は黙り込んでしまった。顔がほんのり赤かった。
「で、話は変わるけど、未来ちゃんに迷惑掛けてない??大丈夫か?」
テツヤがちょっとふざけた。
「だ、大丈夫だって! ね☆未来ぃ〜♪」
正宗は未来に熱い視線を送った。すると、
「もうそんなに元気なら、大丈夫ですよね〜?正宗さぁ〜ん♪」
と未来は正宗のまねをして、返事をした。
「みんなして〜! もう!」
正宗が少しいじけてしまった。
「とりあえず、無理しないで治せよ〜!俺達はこれで帰るから!」
明浩が切り上げた。
「ゴメンな!正宗。未来ちゃんとの時間を邪魔しちゃって♪」
龍男が最後にこういい残して、アパートを出て行った。
「なんだよ!みんなして!」
正宗はふくれっつらをした。
「いじけるのもその辺にして、今日はとりあえず寝ててくださいよ!」
未来がそう言うと、正宗は「はいはい。」と返事をして寝始めた。
「ジャアー。」
未来が台所で洗い物をしていたとき、
「おっと!危ない。危ない。あやうく落とすところだった。」
茶碗を落としそうになった。
「えっ!?なんで?」
未来の手がうっすらと白くなり始めた。
「もう帰らなきゃいけないの?イヤだよ。スピッツと離れたくない!」
そう思いながら、未来は自分の手をただただ見つめていた。
↓目次
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