タイム・スリップ
[作者:えりんこ]
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〜18章〜
「バッターン!ドカン!ズタタン!」
ドアを思い切り蹴飛ばした音が聞こえた。
「み、未来!?大丈夫・・・か・・・。」
それを見た正宗一同は黙り込んだ。
おそかった。おそかったのだ。が、しかし、
「・・・ふっ。もうこいつ・・は俺のも・・の・・だ・・。うげぇ・・・。」
未来をさらった正宗のいとこ、「正治(せいじ)」は急に倒れこんだ。
正宗たちがビックリしていると未来が声を漏らした。
「女だからってなめてんじゃないわぃ!」
その一言にまたビックリし、正宗がそっと未来に聞いた。
「ね、ねえ。未来ちゃん。これってどういうこと?」
すると、未来はニコリと笑ってこういった。
「私、一応空手やってたんでこれぐらいの護身術は覚えてたんで!」
「しっかしすげぇな。未来ちゃん。カッコイイな〜!」
テツヤもただただ驚くばかりだ。
「で、でも私の唇がぁ・・・。(泣)すっごい怖かった・・・。ぐすっ。」
未来はガックリ肩を落として、泣き始めた。
「泣くことないよ。俺がいるし、みんなもいるから。うん。もう大丈夫だよ。」
正宗の優しい言葉に未来は少し落ち着けた気がした。
「ま、正宗さぁん! 怖かったー! ひっ。ひぃ。うぅぅ・・。」
でも未来は今まで我慢してきたことを全部吐き出すかのように正宗に泣きついた。
「そうだね。怖かったよね。もう大丈夫だからね。」
正宗は未来の頭をそっとなでた。
「青春だね〜。」
「あぁ。そうだな〜。」
「しっかし今回のにはビックリしたよな〜。」
正宗以外の三人は未来と正宗を見て、こんな風につぶやいていた。
↓目次
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