タイム・スリップ
[作者:えりんこ]
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〜35章〜
目が開いた。
「うわぁあ!」
ちょっと驚いた。
「え?ちょっと待てよ??」
考える。
「もしかして・・・?」
そのもしかしてだ。
「帰ってきちゃったの??」
自分の頬をつねった。そして辺りを見回す。
あの時計を見る。
「あ。動き出した! 本当に戻ってきたんだ・・・。」
していたヘッドホンをはずした。すると、何かに気づいた。
「つ、冷たっ!」
首筋に何か触れている、それを手にとって眺めた。
「これって、正宗さんのくれたペンダント?」
中に何か入っているようだった。
開けてみた。
「!?」
あわてて閉める。
再び見る。
「しゃ、写真??」
ちょっと端が汚くなっている写真が入っていた。
それは、草野正宗。三輪テツヤ、田村明浩、崎山龍男と過ごした日々の証だった。
涙が未来の頬を伝う。
もう一回CDを聴こうとした。あの時みたいに、向こうへ行こうと。
でも、ラジカセが奇妙な音を出す。
溢れる涙を抑えて、CDを確認した。
「あぁぁあ!」
CDは真っ二つに割れていたのだった。
「ありゃありゃ。もう戻れないよね。もう無理だよね・・・。」
床に座り込んだ未来は、ひとつため息をついた。
「スーパーでも行ってこよう。」
未来は気を取り直して、今日の買い物へ行こうとした。
ふと思った。
「スーパー?大学が近い・・・。そして見える景色がこの角度・・・」
すると、未来はサンダルを履いてあわてて外へ出た。
「やっぱり!!どうりで見たことあると思った!」
未来はくすっと笑って、青空を見上げた。
「正宗さん、住んでいてくれてありがとう。」
青空へつぶやいた。
そして、あのペンダントをつけて買い物へ行った。
なんだかいつもより足取りが軽い気がした。
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