タイム・スリップ
[作者:えりんこ]
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〜15章〜
「んじゃ。行ってくるね!未来ちゃんはこの辺で見ててね。」
正宗にそう言われた未来は、その辺にあった椅子に腰掛けることにした。
「一体どんな音がするのだろう?もしかしてロビンソンみたいなのかな?」
そんな疑問を抱きつつ、ライブが始まりを告げた。
ド派手なギターと豪快なドラムがジャカジャカ鳴った。
未来の想像とは裏腹のものだった。
ロビンソンのイメージと全く違うのだ。これがスピッツだった。
パンクロック一色だった。
「これがスピッツ?チェリーやロビンソンとは全然違う。」
未来は驚きを隠せなかった。
そのまま順調にライブは進んでいった。そして、終わった。
「終わった〜!!楽しかった!未来ちゃん。どうだった?」
「えっ・・・あ!なんかイメージと全然違うんです。」
「な、なんで?」
「こんなにパンクだったんだ!と思いました!」
「そっか〜。俺達って地味系なのか?」
「わかんねぇな〜。とりあえず、あそこ行かなきゃ!」
「そうだね!色々と教えてもらわないとね。」
すると、メンバー全員があるところへ駆け出していった。
未来もなんとなくついていった。
そして、審査員らしき人の前に集まった。
「君たち、ブルーハーツ意識してるよね。」
(未:ぶ、ぶるーはーつ?あのリンダリンダとかの?)
「は、はい・・・。」
(未:そうだったんだ〜。)
「でも、それじゃあこの先望めないね〜。」
(未:え!?なんでカッコイイのに!)
「は、はぁ・・・。」
「やっぱりダメなのかな〜。」
駐車場へ向かう途中に正宗がぼそりとつぶやいた。
「で、でもカッコよかったですよ!」
未来は一生懸命フォローする。
「うん。でも何かダメなんだよ。明日から何か変えなきゃいけないんだ。」
正宗が言った。
「俺、明日新しいのつくって、持ってくから!」
また明日へ挑戦することを決めたメンバーの中に未来の姿だけがなくなっていた。
↓目次
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