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タイム・スリップ  [作者:えりんこ]

■ 〜25章〜

「正宗、結構遅かったね。どうしたの??」

龍男が正宗にたずねた。すると、

「ふふ〜ん♪あのね、新曲書いたんだけど、さっき忘れちゃって・・・。」

正宗は少し恥ずかしそうに言った。

すると、新聞を読んでいたテツヤと寝ていた明浩が小走りでこっちへやってきた。

「ま、まじで!? は、早く!見せて!」

「ちょいと待ちなぁ!」

テツヤたちは落ち着かないようだ。そして、正宗がテープを出してラジカセに差し込んだ。

(へぇ〜。こうやって新曲をつくるんだ〜。)

思わず未来も感心した。


























           〜演奏終了〜



まず声を出したのは明浩だった。

「こんな曲って、今までにあったかな〜? っていうか地味だね。」

すると、テツヤが少し不安げに言った。

「っていうかこんな曲演奏したことないからわかんないよ・・・。」

すると、

「うん。確かに。 でもなんで急にこんな風にしたの?」

しばらく黙っていた龍男が正宗に尋ねた。

「この前のライブで、ちょっと違うって言われたじゃん。だからちょっと曲風変えようと思って。
  だから俺もアコギ持って歌うよ!」

「じゃあ、ちょっと練習して今度のライブのときにやろうか!」

明浩が言うと

「そうだね!じゃあ、やろうぜ!」

テツヤからさっきの不安げな表情はいつのまにか消えていた。




「この曲が完成して、今度のライブまでこっちにいられるかな?」

心の中で未来は悩んだ。すると、また手が白く、薄くなっていくのがわかった。

「無理・・・かな・・・。」

その手をじっと見つめながら、ボソッとつぶやいた。

そんな未来の異変に、龍男だけが気がついていた。



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