タイム・スリップ
[作者:えりんこ]
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〜13章〜
「こんなことでカリカリしたって仕方ないや! よっしゃやるで!」
急に空気が変わった。声を張り上げたのは正宗だった。
「そして・・・。ごめんね。未来ちゃん。」
「こっちこそごめんなさい! 変なことで怒ってしまって・・・。」
2人はニコリと笑った。そして、未来はこう言った。
「もうお昼時ですから、ご飯にでもしませんか?」
そして、朝作ったおにぎりをメンバー一人一人に渡した。
「俺のはアサリのしぐれ煮だ!! うまいね!」
その声は正宗だった。
「お!カレーピラフじゃん。ありがとうね〜。」
その声は明浩だった。
「あ!鮭ワカメ! うん。意外と旨いじゃんね!」
その声はテツヤだった。
「しょうが焼き〜! 旨いぞ〜。」
最後は龍男だった。
おいしそうに食べている4人を見て、未来はすごく嬉しかった。
そして、食べ終わってリハーサルに取り掛かった。
正宗の声と、テツヤのギター。そして、明浩のベースと龍男のリズム。
それぞれが奏でる音が、一体化して未来の耳に届いた。
思わず目をつぶって、聞きいっていた。
そして、リハーサルも無事に終わり、ライブ会場へ向かった。
ワゴンに機材を乗せて、いざ出発。
運転するのは、明浩。 もう後部座席の3人はいびきをかきはじめていた。
「あの。田村さんいつもこうなんですか?」
「あぁ。そうだよ〜。 正宗可愛いだろ!」
「ちょ、ちょっと!田村さん!」
冗談もほどほどにしていると、誰かの寝言が聞こえてきた。
「未来ちゃぁんの、バァ〜カァ〜。でも好きぃ〜。 ガァァア」
助手席に座っていた未来の顔がほんのり赤くなった。
↓目次
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