タイム・スリップ
[作者:えりんこ]
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〜34章〜
静かだ。何もない。空が真っ青。
たった今大事な人がこの空に消えた。魔法が解けたみたいに。
「・・・・もう。行こう。」
軽く赤くはれた正宗の目はなんだかこれから何かあるんじゃないか?と思わせるかのような目つきをしていた。
「え?ちょ、ちょっと!正宗??」
あとの3人が後を追った。
「チャリン」
なにか音がした。
テツヤが物音に気づいた。
「おい!正宗!ちょっと来いよ。」
フラフラしながら正宗がやってきた。
「・・・・なんだよ。冷やかしか?」
「これ、見ろよ!」
テツヤが拾ったものを見せた。
「え!?これって未来のペンダントじゃん。」
「壊れたやつだけど、未来ちゃんはお土産に置いていってくれたんだよ!」
「そしてぇ〜。裏を見てみな。」
ニコニコしたテツヤがペンダントの裏を正宗に見せた。
「・・・なんじゃこれ? K・Mってくるみか?? 未来ってくるみが好きなの??」
想像していなかった一言が出た。テツヤはあぜんとした。明浩、龍男も必死で笑いをこらえている。
すると、テツヤは正宗を軽くデコピンすると、ゲラゲラ笑ってこう言った。
「お前!バカだろ!!バカの中のバカ??ギャハハハ!!!」
「へ?な、何??これくるみじゃないの??」
すると、後ろから明浩と龍男が正宗にこっそり種を明かした。
「これはな、Kは草野、Mは正宗。 しかもハートマークで囲ってあるじゃん!」
「・・・・・・帰ろ!早く帰ろう!」
正宗はそのペンダントをポケットに突っ込んで、車へダッシュした。
「え!?正宗!おーい!」
3人も急いだ。
車内で、正宗以外の3人はずっと正宗を観察していた。
ずっとペンダントを見つめている正宗はどうやら観察されているのに気がつかないようだ。
3人は大爆笑だ。 でもしっかり笑いをこらえて・・・。
相変わらずのどんちゃん騒ぎはいつまでも続きそうな予感がした。
↓目次
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