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タイム・スリップ  [作者:えりんこ]

■ 〜3章〜

未来は、むくっと起き上がり、周りを見回した。

「何かが違う。 匂いが違う・・・?」

考え込んでいると、「ガチャ」という、玄関を開けようとする音が聞こえた。
未来は、急に怖くなり、そばにあったバットを持って、構えた。

「・・・?何やってるの?どうかした??」

未来は、ビックリした。 ここは、あの青年のアパートだったのだ。
未来は動揺を隠せなかった。 なぜここに自分がいるのか。
すると、青年はこっちへ来た。

「名前は??」
「ひ、日向み、未来です・・・。」
「未来ちゃんか〜。いい名前だね!! 俺、正宗。」

未来は、1番聞きたかったことを、話した。

「あ、あの私は、なんでここにいるんですか?」

すると、こう答えた。
「覚えてない? そこで倒れてたんだよ。 適当に布団敷いたけど、臭かった?ゴメンね・・・。」
未来は、やはり意味が分からない。 未来は、CDを聞いていただけである。

もう一度、周りを見回してみた。
なんか、違う。 いくら違う家だからといっても、2007年の家とは少し違う気がする。
もうひとつ、聞いてみた。

「今って、何年ですか?」

ずいぶんバカげた質問だったが、この答えにはあ然とした。

「ははっ!何言ってるの?今は、1987年だよ。」

動揺した。さっきよりもさらに動揺を隠せなかった。
キッチンも古く、ラジカセも古く、何もかもが一世代前の世界だった。


「もしかしたら、私ってタイムスリップをしてきたのかな。」

もう、時計は12時を回っていた。



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