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タイム・スリップ  [作者:えりんこ]

■ 〜24章〜

正宗の風邪も治り、未来の手の異変も忘れ去られていたある日。






「タタタッタタタタタタ・・・」



誰かが廊下を猛スピードで駆け抜けて行った。

誰が走っているのかは誰にも分からなかった。

そんな人々を後方へ置き去りにし、ある部屋の前で止まり、ドアを開けようとした。

その時、4,5人の女に囲まれた。 走っていたのは男だった。

「正宗く〜ん♪」

(ゲ・・・;また来たよ。)

その男は心の中でこうつぶやいた。

「ねぇねぇ〜。正宗くぅんって〜。彼女とかいるのォ〜?? まさかいないよねェ〜。」

その中の一人が、ぶりっ子全開でこういった。

(チッ。うっとおしいな。)

「いるよ。いるけど。何か?」

わざとその男は冷たく言い放った。

「じゃあ〜。どんな人なのォ〜??」

軽く目を潤ませた女は徐々に男に近づいていく。

「カワイイ子だよ。優しくてね〜。 っていうか何でこっち寄ってくんの?」

(あぁ、うっせぇ!)

その男がもうあきれて部屋に入ろうとすると、勝手にドアが開いた。

「正宗さん!どうしたんですか??」

「どうしたもこうしたも、もしかしてアナタが??」

「へ?な、何がですか?」

「とぼけてるの? アナタは正宗君のなんなの?」

「あぁ!この前の人ですか!私は、正宗さんの・・・」

最後まで言う前に、正宗と呼ばれる男がこういった。

「この子がね。俺の彼女。カワイイだろ!」

すると、正宗は未来の肩をそっと抱いた。

「え!? ちょ!ちょっと!正宗さん!?」

すると。ぶりっ子軍団(通称:正宗ファンクラブ)は口をそろえてこういった。

「正宗君の彼女なんて、あなたには似合わないわよ! お、覚えてなさい!」

それだけを言い残して、去っていった。


「ところで正宗さん、なんであんなに急いでアパートに戻ったんですか?」

未来がたずねると、

「あぁ。ちょっとね。あとで分かるさ。 じゃあ、行こうか。」

半開きのドアを開け放った。



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