タイム・スリップ
[作者:えりんこ]
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〜7章〜
「チリリリリリリ〜。」
午前五時。 甲高い目覚まし時計のアラームで未来は目を覚ました。
まだ正宗は寝ているようだ。
起こさないように、そーっと台所へ向かった。
昨日、余分に炊いておいたご飯を電子レンジで温めた。
そして、4つのご飯のかたまりの中に一つ一つ違う具を入れていった。
ひとつは、アサリのしぐれ煮。
次のは、 鮭ワカメ。
三つ目のは、カレーピラフ風に。
そして最後のに、しょうが焼きをいれた。
そして、朝ごはんもつくり終わった未来は、時計をみた。
そろそろいい時間だ。 まだ気持ちよさそうに寝ている正宗を起こした。
「正宗さん! 朝ですよ! ライブじゃないんですか??」
と、話しかける。しかし、正宗は寝返りを打つだけで反応が無い。
「いいかげん起きてください!」
と怒鳴った。しかし、寝言をもさもさ言ってるだけで起きようとはしない。
さすがの未来にはこれにはあきれ、押入れから孫の手を引っ張り出してきた。
「これなら起きるかな? ためしだ。やってみよう!」
昨日の自己紹介のときに、テツヤから起こす方法を教わったばかりだ。
そして、その孫の手を正宗の足の裏に当てた。そして、
「こちょこちょこちょ。」
と、足の裏をくすぐった。 すると、今までびくともしなかった正宗がむくっと起きたのだ。
「朝っぱらから何さ〜。 ん〜。もう!!」
どうやら寝起きが相当悪そうだ。
「起きなかった正宗さんが悪いんですからね!! もう!何よ!」
未来もご立腹だ。
朝ごはんを食べ終えた2人は、ちょっと険悪ムードの中、最終調整でバンドのメンバーのいるいつもの場所へと向かった。
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