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夜を駆ける2  [作者:あつこ]

■28

二人して、ごろんと寝転がっていたらホタルは左手を上げて、手を見つめながら話した
「私ね、思うの。この前カズマが言ってたことー・・・
指にはさ、きっと恋愛的な意味だけじゃ無くってもっと、他の―――
『運命』っていうか、いろんな糸が付いていて、たくさんの人と繋がってると思う。」

小指をぴん、と立てて、優しく目をつむる
僕も空に手を翳して小指を見つめる、ホタルと繋がりたい、そう思う。
空いた右手でホタルの手を握りしめる、やっぱり肌がひんやりと、コンクリートのように冷たい。

ホタルはこっちを向いて、「私とカズマ。繋がってるのかな。糸で。」そう切ない声で呟く
僕は切なくなってホタルに言う「繋がってるよ、確かに。僕には見えるよ・・・」

「カズマ・・・」ホタルは涙を少し溢す
僕は自分の手で冷たいホタルの頬に手を当て、涙を拭う

ホタルの嗚咽が聞こえる、僕は何も出来ずにホタルの手を握りしめながら、
夜空を見ている

僕がホタルの手をギュッと握るとホタルも僕の手を握り返す
だから、僕はもっとギュッと握りしめる。
ホタルも僕に続いて握りかえす

そんな小さなことが愛しくて、楽しくて僕はたまらない。

ホタルの鳴き声がいつのまにか止まって、くすくすと笑う声が聞こえた
僕はふっとホタルの方を見ると、まだ赤い目のまま、ホタルはくすくすと笑っていた

「ねえ、カズマ。カズマの周りの人のこと。お話して。」
いきなり無茶苦茶なお願いをしてくるホタルに僕は戸惑いながら、話し始める

家族…父さんのこと、母さんのこと、妹、の加奈子のこと。
友達の事、啓太や淳平。他にもクラスメイトや他の学校に行った友だち、幼なじみ。
親戚、イトコ、ハトコ、じいちゃん、ばあちゃん、近所に住む人のこと。
いつも駅で見る人、コンビニの店員のこと、学校の先生のこと、部活の仲間のこと
他にもいろいろ、僕の周りに居るたくさんの人について僕は話した



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