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夜を駆ける2  [作者:あつこ]

■24

僕は気がついたらベッドの上で寝ていた
起きたら時間はもう8時をまわっていた
5時間・・・か、だいぶ寝てたな。

目を擦りながらリビングへ向かう、明かりが見える
加奈子と父さんがテレビを見て話している
「あら、起きたのー?いっぱい寝たんじゃない?
夕飯さっき食べちゃったのよ、今、あたためるから。」と母さんが僕に言って、

テーブルの後片付けをしながら台所へ駆け込む

「お母さんがね、疲れてるみたいだから寝かせときなさい、って。
でもちゃんといつもの番組、ビデオにとっといたから。」加奈子がリモコンを片手に僕に言う

「和馬―、ご飯どんぐらい居る?いっぱい?ちょっと?」
「んー、普通。」
油と、醤油の匂いがする。今日は和食らしい。寝起きに洋食はキツイかもな。良かった。

「ちょっとーお父さん、チャンネル変えないでよー、CM終わっちゃう」
「ん?あぁ、分かった分かった。良い所だったんだけどな。」
と父さんは見ていた野球中継を、お笑い芸人が司会するバラエティに変える

父さんが好きな選手が、これから打とうとしていた所だった、
加奈子に今度言っておこう、父さんの楽しみなんだから邪魔するなって。

「ほら、和馬。ご飯。」ドン!とおかずとご飯をテーブルに並べていく
あ、普通でいいって言ったのに量が多い。まあいいか。

おかずは父さんの好きな魚と豆の炒り煮だった。冷奴もついていた
みそ汁の具は、わかめと油揚げ。だしは、昆布?

僕がテレビを見ながら食事をとっていると、
テレビでは芸人が変な踊りを踊っていた、湖でのロケらしい。
みそ汁をすすりながら、テレビから聞こえる曲を聴いていた。
そう言えば、今流れてる曲もうちょっとでCD発売だった。今度予約しておこう

食べ終わり、部屋へ向かおうとしたた
「和馬。」と父さんが呼び止めた
「何?」
「ちゃんと勉強は、しているのか」
「うん、やってるよ。」
「そうか、−頑張れよ。」
「ありがとう。」

父さんと言葉を交わすのは久しぶりだった 
僕はそう言って、部屋へ戻って音楽を聞きながら、ベッドで本を読んでいた

なんだか、心の中が、優しくなっていた
スウッとした、清々しいような気持ちになっていた

・・・9時か。あと、 4時間か。
ホタルに会うまで。



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