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唄う旅人 [作者:水月侑子] ■第2話 ノラ・ロイ(6/7) 「ディーンみたいに武器にならなくても少しだけなら水を操れる。 アリィとディーンの後ろに仁王立ちでノラが言った。話を割り込まれたディーンはノラを睨んだ。 「やっぱり、悲しいよね」 アリィはぽつりと呟いた。ノラとディーンは驚いた目つきでアリィを見た。アリィは首をかしげた。 「え・・・・・・悲しいよ。混血じゃなかったら神様になるのに、混血だったらいじめられるでしょ。 ディーンはしばらく黙っていた。そして、すっかり暗くなった空を見上げて言った。 「それは、俺も思っている。俺だっていつかは死ぬんだ。だから人間なんだ。 ノラはディーンを見下ろし、頭を鷲づかみにして、持ち上げた。 「ふんっ、周りから崇められてるから、そう言えんだよ」 「かもな。でも、アカートの国を出たらまた変わるかもしれない。俺はそう思ってタビビトと旅をしているんだ」 ディーンは抵抗せず、ノラの目をじっと見つめて言った。その光景はアリィとクレイにとっては奇妙に見えた。 ↓目次 第1話 【1】 → 【2】 → 【3】 → 【4】 → 【5】 → 【6】 → 【7】
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