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マフラーマン [作者:larkheart"95]

■ 第7章 〜今は撃たないで〜

早く出たつもりなのに気づけば帰路の途中、夜になっていた。
誰のせいでもない。すべて俺が事件に関わっていたからだと思う。
得られたものは何だったのだろう?時間ばかり過ぎていたじゃないか。結局助けることは出来なかったじゃないか。
あの人が生きてると仮定したら窃盗未遂および殺人未遂事件か…?
そんなことばかり俺は考えていた。でも正義って何だろう?
そう思いつつバイクを走らせた。ランプが次々と後ろに過ぎて行き、向かい風が厳しかった。
戦いもこんな感じなんだろうな。逆風に向かいそのまま時間が過ぎて行く。
そして遠くの希望の明かりへと駆けるんだ。生き地獄を救えるのは宇宙でただ一人だけ…俺だけなんだ。
半分、誇大妄想入れつつ、戦いと正義とその他諸々をひたすら考えていた。
そんなことばかり考えていたから危うくICを降り損ねるとこだった。いや、ブラスターを使えなかったら降り損ねていた
俺は降りるために地面に軽くブラスターを放ち、その勢いで曲がったのだ。
多分アスファルトにタマゴのような形の跡が残ったがそんなことはもう関係なかった。
まぁ若気の至りということで済ませられる範囲だろうと思った。
無事に街へ戻った。三日ぶりで久しぶりに東京の煙たい空気じゃなくて故郷の綺麗な空気を吸えた。
…戦いはこれからなんだよな。そう思ってると黒田が来た。

「おう、戻ってきたか。大体俺の計画通り進んでるぜ。」

「どういったことなんだ?」

俺は聞いた

「ああ、街の外から援軍頼むにはそれしかないだろ。まぁそれから長老を味方につけたというわけだから町全体で戦えるってことよ。」

ホントに先を見通せる切れ者だった。俺は今回のたびのことをすべて話した。

「なんだかすげぇことになってんなぁ。長老は娘を息子と勘違いして、実はお前も長老の一族で…まぁ、交渉は上手くいってるからよしか。」

「で、ゆうひは?」

「おめぇちったぁ考えろ。もう日付変わってるんだから自宅で寝てるんじゃねぇのか?…襲いこむとでも?」

「な…馬鹿も休み休み言ってくれ。この三日間の状況だよ」

俺は顔が赤くなってしまうのを感じながら言っていた。

「あらあら、恥ずかしがっちゃって…まぁ、赤星なら長老の弟子みたいなガキが門前を見回ってたから大丈夫なはず…」

「わかった。ありがとう。」

「それよりさ、なんかおかしくないか?」

「何が?」

俺はバイクを押して歩きながら翼と話していた。

「なんか変な気配感じるんだよ。」

「えっ?」

俺は見渡した。確かにおかしい…何かが見える…なんだろう。
その瞬間、匕首が俺の顔面に飛んできた。間一髪避けたが、それは後ろの作に深く刺さり、そしてカランと落ちた。

「あら、外れちゃったの?」

闇の向こうから、変な狐のような目をした女性が現れた。

「ボウヤたちが私たちを倒そうったってそうは問屋が卸さないわよ」

「誰やアンタ?」

翼がきいた

「…冥土の土産にちょうどいいわ。エスパー7番隊長秘書。オーロラ・シーグルよ。」

「わかった。家に帰ってメイドに聞かせてやるわ!」

翼のくだらない冗談に俺は笑わざるを得なかったがすぐにまじめに戻った。

「隼、でかいの一発頼む。」

俺はあることに気づき、こういった。

「いや、今は撃てない。」

「なんでや?!」

俺は女性の奥を指差した。そこにはゆうひの家があった

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