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マフラーマン [作者:larkheart"95]

■ 第3章〜すぐにも消えそうな星〜

俺は長老のもとへ足を運んだ。相変わらず天は高く、風は突き刺す寒さだった
しばらくいくと大きな壁の向こうに瓦が見えた。いつ見ても長老の家だけは豪華だ。

「失礼します」門を叩いた。鐘を衝くような重低音が響き渡った

「誰や?」

ガムを噛みながら少年が出てきた。おそらくオレよりは年下だ。

「長老にお会いしたい。」

オレは用件のみを伝えた

「あのじーさん、また予言当てやがったよ。大きな事情を抱えた少年がうちに来るとさ。…ってことは」

オレは予言に驚いたがそれも一瞬だった。
何か気配がする…

「エスパーの雑兵が襲撃してくる…と。なにもかも当てやがった!」

後ろには20人ほどの軍団がいた

「おまえ!これはやべぇぞ?!」

少年が叫んだ。オレは直感的にこれくらいなら倒せると思った。

「…」

目を閉じて無意識に腕を前にだす。何かが見えてくるのだ。

「覇!」

目を開けたときにはもう20人は飛んで燃えていた。
少年はもはや事態を理解できていなかった

「案内頼む。」

それだけ少年にいってオレは中に入った

「来たか、炎風の少年よ」

そこには、老人…の割には若々しい男性が立っていた。おそらく長老だ。

「炎風?」

聞いたこともない。炎?風?でもそれって…もしかして?

「分っておるだろう。君のそのすばらしい能力のことじゃ。炎の力を持つ父に風の力を持つ母の子だからの。」

そうか、だからこんな俺の能力は変わっているのか

「お主、エスパーと戦うと申しておったな?」

「はい。」

俺は答えた。

「そうか、なら、東京に行って私の息子であるヒカルに会って来てくれんかの?」

「え?」

ヒカルさんはこの町出身でもっとも有名だった。東京で事業を起こし、今ではかなりの資産家だという。もっとも、能力を使っているのだが。

「彼に、この紹介状を渡すが良い。さすれば、君の願いは現実に近づくと確信している。」

俺は、封筒の両面を見て後、ジャケットの内ポケットに入れた。

「それではいってくるのじゃ。」

俺は踵を返したが、ふと思ったことがあった

「長老、」

「なにかの?」

「…長老の能力って何だ?」

少し気になったのだ。

「わしか。」

長老は目を閉じてからこういった。

「わしは…時じゃな。」




↓目次

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