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マフラーマン [作者:larkheart"95]

■ 第4章〜細胞全部〜

バイクに跨がり、東京を目指したときにはもう太陽は沈み藍色の空が覆っていた
都会から遠いので星が綺麗だった。
高速を使うだけの金はあったから時間はかからなかった
橙色のランプが次々と過ぎていった。バイクはいいものだと改めて思った
ただ、風を切るためとても寒い。ゆうひの作ったマフラーが首筋を守ってくれた
高速を降りてヒカルさんのいる新宿に着いたときには日付は変わろうとしていた
東京は混んでる上に迷うからだ
さすがに夜中の訪問は無礼なのでビジネスホテルをとった。
東京って明るいな。そんなこと考えながら俺は眠りについた


翌朝、早いうちに目が覚めた。東京の日の出はすごく綺麗だった
支度が調ってからヒカルさんの会社に向かった。長老がアポを取ってくれたようですぐに
応接室に通された。
秘書らしい人が話し掛けてきた

「コーヒーと紅茶、どちらがいいですか?」

まだ朝なのでブラックコーヒーをいただいた。そこらの喫茶店よりもこだわってる感があり旨かった

「待たせたね。」

…来た!と思ったが外見に少し動揺した。
ブロンズヘアーのポニーテールである。カッコいいというより美しいに近かった

「ヒカルへ…?―父さん、私はヒカリだってのに…娘の名前くらい覚えてよ」

おいおい、ヒカルさんじゃなかったの?しかも息子じゃなくて娘?そしたらヒカリさんの
外見に合点がいくけど長老の記憶に合点がいかない…
そう俺が悶々としている間にヒカリさんは文を読み終えていた

「…つまり、エスパーが以前よりも恐ろしく暴れているということね」

俺は頷いた。

「でも、なんで貴方が戦うの?どれくらいの覚悟が必要かわかってる?」

彼女は続けた。

「戦いで貴方に失うものがなくても、みんなにはあるのよ?」

「しかし…」

俺はここで口を開いた。

「エスパーにやられるまま大切なものを失うより、戦った上で失ったほうがマシでしょう?」

少し沈黙が続いた。電車が走る音だけが響いていた。
しばらくして、ヒカリさんが立ち上がった。

「君、少し違うところで話そう。付いてきてくれ」

ヒカリさんは扉を開け、外に出た。慌てて俺は後を追った




↓目次

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