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胸に咲いた黄色い花 [作者:えり] ■7 尚はそんな俺の様子をみて、ため息をついた。 「・・・でも、プライドがでるようになるんだったら、ひもなんて終わりじゃない?」 尚の、またもや鋭い言葉に、一瞬、体が固まる。 「だって、こっちはやしなってもらってる身だよ?頼られたいもくそもないじゃん。 今すぐに、耳をふさぎたい。 「まあ、専業主夫とかになるんなら話は別かもしれないけど。ほら。今の時代、その道もありじゃん。 尚は淡々と言葉を吐き出す。 「俺だって、それはできるならやってる。けど俺って中卒だし、なんか戸籍もよくわかんないし、まともな職につけるわけでもねーじゃん。 「なんて?」 「一緒に住んでる限りは、いつもそばにいるって・・・。だから、亜紀がシゴトから帰ってきたときには、俺は絶対家にいなくちゃいけないんだ。 そこで言葉を区切ると、イスから立ち上がり、ソファーの下にひいてあるじゅうたんの方に腰を下ろした。 「へえ〜なんか、すごいね」 「ふーん。そっか。束縛されてんだ、清。亜紀さんも、みかけによらず独占欲つよいよね。 尚はそういって能天気そうにハハハと笑う。 「亜紀は、お嬢様なんだよ・・・」 ボソリと吐き出された俺の言葉をきいて、尚の軽快な笑いがピタリと止んだ。 「まじ?」 尚の問いに、静かにうなずく。 「・・・それはキツイね。」 尚が若干深刻な面持ちを見せる。 「そーだよ。・・・だから、俺と亜紀が結婚するなんて、ありえないことなんだ。亜紀の家は、ひもとの結婚なんて認める家じゃないんだよ。
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