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胸に咲いた黄色い花 [作者:えり] ■5 深く、落ち込む。 仕事をしていない自分はただの飾りだけの人間に思えてくる。 だから、家事という仕事をやろうとしたはずなのに。 いつまでも落ち込んでいても仕方ないので、ベッドから重い腰を持ち上げ、自分用につくられている朝ごはんを食べることにした。 そこで、ピンポン、とインターホンが鳴った。 「なんだよ・・・」 けれど、無視するわけにもいかないので、仕方無しに玄関へと向かい、ドアを開けた。 「はーい・・・」 そこには、少し長めの黒髪を風に吹かせている男が、にこにこしながら立っていた。 「なんだよ、ゲッって!!失礼な奴だなぁ。いくら俺でも傷つくってーの。」 そういいながらも、その男はケロリとした顔で、「おじゃましまーす」といいながらズカズカと玄関口ににあがりこんできた。 「オイ、勝手にはいるなって!」 あまりの態度に思わず肩をつかみ、引き止めた。 「お前にそんなこという権利があんの?ここは亜紀さんチでしょ。」 と、サラリと痛い言葉をはき捨てた。 その台詞に、声がぐっと詰まる。 結局、追い返すわけにも行かず、しぶしぶ家にあげた。 「で、何しにきたんだよ。尚(ナオ)」
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