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胸に咲いた黄色い花 [作者:えり] ■6 まあ、こんなことはよくあることだ。 尚は、その整った顔を笑いで歪めながら、テレビを見ている。 尚は、本名は 相沢尚也(アイザワ ナオヤ)という。 昔からそのサワヤカなルックスで、いろんな女をひっかけていた。 尚は、番組がCMにうつった際、当番表が目に入ったようで、それを指差しながら 「あー。続いてるけど、一応・・・」 「へーっ。でも、清(セイ)がこんなことする必要ってあんの?」 唐突な質問に、一瞬とまどう。 「え」 「別に亜紀さんに頼まれたとかじゃないんだろ?前の時は、してなかったじゃん」 前の、とは前の女の人と住んでいたときのことだ。 鋭い質問に戸惑いながらも、少し小さめのトーンで答える。 「・・・まあ、俺だって、亜紀に会うまではなことしようとか思ってなかったけど・・・」 「けど?」 「なんか、亜紀の前では、一応プライドがあって・・・役だつ男になりたいってゆーか、頼られたいってゆーか」 視線を泳がせながらつぶやく俺を横目でみながら、尚は何か確信したようにうなずく。 「ふーん。・・・清、惚れたね。てか、本気でしょ。」
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