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胸に咲いた黄色い花 [作者:えり] ■4
真っ暗な森。しゃがみこむ俺と亜紀。 このままじゃだめだと亜紀の手を引こうとする。 困り果てる、俺。 ――どうして、亜紀はそんな目をするんだろう。
そこで、ぱっちりと目が覚めた。 何だ、このユメ。 まだ頭の隅に残っている夢のカケラをひとつずつ思い返すように、目を閉じた。 あの、亜紀の切ない目。 「清?起きたの?」 聞きなれた声が玄関のほうからする。 ぼやけた視界で亜紀のうしろ姿を見つめる。 「じゃあ、いってくるから。ご飯は机のうえだからね」 「え・・・」 「いいよ、別に。気持ちよさそうに眠ってたし。じゃ、いってくるね」 そういって、亜紀は軽くドアノブに手をかけ、扉を勢いよく開く。 と、その間に、彼女はあっさりと出て行ってしまった。 残されたおれと壁に張られた当番表。 「はあ・・・」 “家事は当番制にしよう!“
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