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俺、ラクガキ [作者:龍蛇]

■2

さっと手を伸ばすマリ。ハルはまじまじと見つめて、カァーと頬を赤くする。
(えっ! ちょっ、はっ、うぇぇぇぇ!)
ハルはやっと何かを気づいた、様な気がした。でも何も分かっちゃいなかった。
マリ「どうかしましたぁ。おかしいですよ。フフフ。そういえばまだ聞いてませんでしたね。」
ハル「名前だろ。晴彦。『ハル』ってよんでよ。」
マリ「ハルさんですね。わっかりました♪」

その時。 「ドン」と大きな音がして、ドアが倒れた。

男「おう、おう。随分待たせるなぁ。」
ハル「だっ、誰だよ!?」
マリ「に、逃げてください!危ないです!」
男「あらら、逃がしゃしねぇよぉ。」
ハル「ざけんな!誰なんだよ、お前。」
男「こっちが言いたいねぇ。オレは『仁』ってんだ。」
ハル「マリに何のようだよ!」
仁「あんたに関係ねぇが教えてやる・・・!こいつは『泥棒猫』なんだよ!」
ハル「ンな訳ねぇだろ!なぁ、マリ・・・?」
マリ「・・・」

その場は凍りついた。(マリが盗人だ?ンな訳ねぇだろうが。)と何度も何度も心で叫んだ。
ハルは、訳が分からないまま、マリの手を掴み、走って部屋を出た!

仁「まてぇぇぇぇぇぇ、こら!」

走った。橋を、平原を、山を。
しかし、遂に隣の隣の隣町で、足は停まった。

マリ「ハルさん!聞いてください!」
ハル「何だよ!マリは泥棒なんかじゃないよな?」
マリ「じ、実は・・・」



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