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惑星のかけら  [作者:ケルト民族]

■6

家に帰ると親が俺に電話があったと教えてくれた。

電話の相手は"野宮"。中学校からの付き合いで、親譲りの凄腕ドラマー。
ちょっとヤンキーっぽいところはあるが、頼りがいのあるいいやつである(背は低いけど)

早速俺は、野宮の家の電話番号を書いた紙を探して、かけ直した。

「トゥルルルルル…トゥルルルルル…トゥルッガチャ――はい、野宮ですけど」

「あ…野宮ぁ?親から電話あったって聞いたっちゃけど何?」

「あぁそうやった(汗)今日夜からスタジオ予約しとるっちゃけど合わせん?」

「おぉ、いいねぇ〜何時から予約しとると〜?」

「七時から借りとるけぇん…六時になったらそっちに行くけん一緒行こうぜ!」

「OK、わかった!」

部活をやめて、帰宅すると暇になった俺は剣道の習いごとで
部活に入っていない野宮と、よくスタジオを借りてセッションをしていた。

これを読んでいる中には"なぜ学校で暴動事件を起こした人がこんなに平然と人付き合いができるのだろう?"と
思う人がいるかもしれません。しかしそれは予想違いで、実は暴動事件を起こしはじめたのは高校生になって、はじめてではないのです。

小学校、中学校と気にくわない奴は顔面からブチのめし、時にひじうち、跳び蹴り、○ん蹴り、目潰し、
で、必ずものごとにはうまくいかないこともありますので、血まみれになって家に帰ってきたこと、なんてのもあります。

そんな暴動を目のあたり、ましてや小学校から見てきた頼藤にとってみれば当たり前のことで、
事件を起こしたあとは必ず頼藤のところへ行く法則みたいなのもできてました。

過ぎ去ったことは気にしない、というか記憶すらないような俺は、
ただ周りに合わせればよいの考えを胸に、自宅で六時に来る野宮を待っていた。



↓目次

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