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惑星のかけら  [作者:ケルト民族]

■2

ほこりっぽく、湿っぽく…。事務用品が部屋の隙間を埋めるように置かれて、
石英式の電気ストーブがないと、床に足が張り付きそうなこの部屋――。

職員室の入り口の向かい側にある"生徒指導室"で
10日間、俺は謹慎生活を余儀なくされた。

謹慎処分………俺はそれをきいたとき少しうれしい気分になった。
まず家の中でやることもなく一日中ゴロゴロできるのは
部活をしていた俺にとって久しぶりのことだったし、
真面目に生きている人に対して、ちょっとした自慢話になるからだ。

だがなんてことだろう。家の中ではなく学校の中で謹慎だとは。
しかも朝8時から部屋に入り、出るのは夕方の5時頃だって?
冗談じゃない、そんな長い時間を自習だけで過ごすのは不可能だ。
こんなことならもうちょい多めにアイツを殴っておけば良かった(泣)

そんなことを考えながら俺は目の前にある数学の問題プリントの白紙部分に、
草野正宗が"惑星のかけら"のビデオで使っていた"ES-335"の絵を描いてた。



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