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惑星のかけら  [作者:ケルト民族]

■5

ファサッ…

 

ここはどこなんだろう。
楽しいような苦しいような…。

目の前で何枚かプリントの束が宙を浮いている。
…そうか、6時限目の授業が終わったあとそのまま寝ていたんだ。

自分の机を見れば、いたるところにロックバンドの名前が書かれている。
"Beatles"に"Sex Pistols "、"Santana"、"Aerosmith"、"R.E.M"なんかが、
パソコンの立体文字のようにそれぞれ何かを訴えるように書かれている。

ロックを聴きはじめたのはギターがきっかけだった。

一年半そこらでまともに弾けるようになった俺は、
おなじ中学校の同級生で、ギターが弾けるやつと友達になった。

ある日、その友達が

「この前ネットでギターについて調べたら、
  もの凄い速さで弾くやつがおったぜ」

と言ったので

「え?……どゆこと?…」

と、家にネットのない俺は放課後、その友達の家に行くことになったのだ。

家は古いのか床が少しきしみ、不良で"できちゃった結婚"をしたうえ、今は無職という兄がいる
友達についていき、僕はパソコンの画面の前に座させられ、驚くような動画を見せられた。

これを読んでいる人の中にはもしかしたら知ってる人がいるかもしれない。
俺は"Michael Angelo"のダブルネックギターの演奏を見てしまったのだ。

俺はその演奏を見て唖然とした。まずあまりにも速い演奏だったのに驚いたのと、
自分が結構ギターを弾けるほうだと思っていたからだ。

負けず嫌いな俺はとにかく速弾きができるようになりたいと一心に、ロックを聴き始めた。
猛練習のおかげか、今ではアルペジオぐらいなら完璧に弾けるようになっている。

俺は自分の席の前のクラスメイトが迷惑がっているのに気づき、
プリントの束から一枚とって、後ろの席に回した。

俺の今の状況をはなし忘れたようだ(作者のスタイルが原因)
謹慎が解けて約三ヶ月…二年生になったばかりの春である。



↓目次

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