医療分野のアミノ酸

医療分野のアミノ酸

高カロリー輸液

現在、広く医療分野で利用されている高カロリー輸液にアミノ酸が配合されます。
高カロリー輸液とは、糖液、電解質等を含む糖液製剤であり、経口での栄養摂取が不能、又は不十分な患者への栄養補給を目的として使用される。
通常の輸液に比して糖類が多く含まれていることから高カロリー輸液と称され、中心静脈より投与されている。 また、肝不全、腎不全の患者には、体のアミノ酸バランスが、治療の重要な要素になってくるので、治療薬としても使われます。

肝不全や腎不全の患者に効果

肝不全患者の血液中のアミノ酸濃度は、BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)が低いと言われています。このアミノ酸不足が、肝性脳症という症状を引き起こす恐ろしいきっかけになります。このようなことのないように、肝不全の患者さん用に、アミノ酸組成を工夫した分岐鎖アミノ酸製剤が開発され、肝不全の治療に十分な効果をもたらしています。
また、腎不全の患者の場合、タンパク質制限の食事をする場合があり、必然的にアミノ酸不足に陥ることがあります。そのような患者さんには、必須アミノ酸を中心に栄養補給としてサプリメントなどを飲んでもらったりします。

胃潰瘍や胃炎の薬にグルタミン

胃や腸の粘膜の分泌が、部分的にうまくいかなくなり、消化管の表面が障害を受けてしまう潰瘍という病気にアミノ酸の一つであるグルタミンが活躍しています。
傷んだ胃や腸の保護作用がグルタミンにあり、胃潰瘍や胃炎の薬として知られています。