テアニンとは

テアニンとは

睡眠やリラックスに効果があると言われるテアニンとは、アミノ酸の一種です。
そのテアニンの効果・効能や、食品で摂るなら何に含まれるのか等を紹介します。

テアニンとは

テアニンとは、お茶に多く含まれるアミノ酸の一種です。
お茶以外でテアニンが入っている植物類は、ほとんどないため、自然界では貴重なアミノ酸です。

うま味成分として知られるグルタミン酸と似た化学構造をしており、テアニンはうま味と甘味をもっています。

テアニンの概要

分子式
C7H14N2O3

分子量
174.20

融点
117 度

名称
テアニン、L-theanine、 N-ethyl-L-glutamine γ-グルタミルエチルアミド、γ-(エチルアミド) L-グルタミン酸

テアニン命名の由来

テアニンは、京都府宇治市にある茶業研究所により、玉露から発見されたのが最初といわれています。
そのお茶の学名が「Thea sinensis」であることから、「テアニン(Theanine)」と命名されたといわれています。
その後、テアニンの化学構造が明らかになり、日本では1964年7月に「L-テアニン」として食品添加物に指定されました。

テアニンの効果

・リラックス効果
テアニンを摂取するとα波が出現することが、ある研究の結果で分かっています。
その研究によると、テアニンの量が多ければ、α波が強く表れる結果となっており、 テアニンの量に比例してリラックス効果が高まると考えられています。

・睡眠の改善効果
テアニンを就寝前に飲むことで、寝つきを良くし、寝ている最中に起きることも少なくなると言われています。
睡眠の質が上がることで翌日の朝起きた時のスッキリ感が違ってきます。

・冷え性改善効果
テアニンを飲むとα波が出現します。
それにより、筋肉が弛緩して血管が拡張し血行が良くなり冷え性改善に期待できます。

・集中力アップ効果
テアニンを飲むことで緊張状態をやわらげ、リラックスすることにより集中力が高まることも分かっています。
テアニンが脳血液関門を通過して脳内に入り込み、神経伝達物質のドーパミンやセロトニンの濃度を変化させるためと推測されています。

・高血圧を予防する効果
テアニンには高血圧を予防する効果があることが研究の結果でわかっています。
テアニンには、過剰なグルタミン酸の働きを抑える作用があり、神経細胞を保護することがわかっています。
このことから、テアニンは高血圧の予防に効果があるといわれています。

テアニンの摂取量

テアニンの1日の摂取目安量は、200mg/日だと言われています。
玉露や抹茶などに多く含まれるテアニンですが、実はお茶の成分の中でも、0.6%~2%しか含まれていないそうです

テアニン摂取のタイミング

テアニンの飲むタイミングは特別決まりはありません。
しかし、テアニンの睡眠やリラックスの効果を狙う人が多いと思いますので、 そのような方は、睡眠の1時間前ぐらいに飲むのが良い効果に現れると思います。

テアニンのでき方

テアニンはお茶の葉で生成されるものと思われがちですが、そうではありません。
テアニンは、茶の木の根で作られたものが茎を通って葉に移動します。
そして、葉が日光を浴びることにより、テアニンが分解され、カテキンに変化します。

つまり、日光を遮って栽培(被覆栽培)される玉露やかぶせ茶、てん茶は、カテキンへの変化が抑えられるため、茶葉中にテアニンが豊富に含まれています。
一方、緑茶、紅茶、ウーロン茶などは、テアニンとカテキンがバランス良く入っているということになります。

テアニンのうま味

テアニンにはグルタミン酸のようなうま味成分があると言われています。
しかし、グルタミン酸ほど強いうま味成分ではなく、ほんのり甘いと感じる程度です。
数字で言うと、約10分の1程度です。

テアニンを単独で摂るとうま味は小さいと感じますが、 テアニンを、お茶に含まれるカフェインとカテキンと一緒に飲むと効果を発揮します。

お茶に含まれるカフェインやカテキンは、渋みや若干の苦みを感じますが、 テアニンが含まれていると、渋みや苦みが緩和されて、その味がマイルドに変わります。

テアニンの香り

テアニンは、お茶の香りなどにもかかわっています。
お茶の香りは複雑で人工的に作り出すのは難しいとされており、 抹茶味のお菓子は、本物の抹茶を入れていることが多いそうです。

茶葉を加熱すると、ほうじ茶のように、香ばしい良い香りが生まれます。
これは、糖にくっついていた香り成分が、熱により放たれて、 焙煎香(ばいせんこう)という香り成分が生まれます。
この焙煎香の中に、含まれているのが「ピラジン」という香り成分です。
このピラジンには、脳をリラックスさせたり、血行をよくしたりするはたらきがあります。