皮膚の構造と機能

皮膚の構造と機能

アミノ酸シャンプー等、界面活性剤のことを勉強する前に、知っておくべき皮膚の構造と機能について紹介します。

皮膚の機能

体のバリア
身体の表面を覆っている皮膚は、気温の暑いときや寒いとき、風や雨にさらされたとき、化学薬品や細菌に接触したときなど、物理的、化学的刺激から人体を保護する役割を果たしています。
つまり、皮膚が、これらの刺激から守る最前線のバリアになっているのです。

分泌作用
皮膚の機能で分泌作用というものがあります。
汗腺から汗を、皮脂腺から皮脂を分泌して、肌に潤いを与えます。
さらに、皮膚呼吸といって、皮膚も肺の1/100~1/200程度の呼吸をしています。
特に、乳幼児期おける皮膚呼吸の作用は、大人に比べて重要な役割を締めています。

吸収作用
皮膚に接触してきた成分を選択的に吸収する作用を持ち、化粧品の油脂や油溶性の成分は、皮膚の表面から吸収されます。

皮膚の構造

皮膚は、大別すると、表皮、真皮、皮下脂肪組織に分けられます。
これらが一体となって内外面を生理面あるいは環境面から守っているのです。



表皮の組織

皮膚の一番外側に位置する表皮は、わずか0.2mmほどですが、この中にある角質層、顆粒層、有棘層、基底層が大切な役割を果たしています。
基底細胞と有棘細胞の一部から生成された表皮細胞は、約1ヶ月で垢となって皮膚から離脱していき生まれ変わっていきます。

角質層
皮膚の一番表面に位置しており、毛穴や汗腺、皮脂腺があり、水分や脂肪分が互いに溶け合った形の乳化を起こして広がっています。
角質層は、死んだ細胞の層で、ケラチンというたんぱく質であり、いずれは垢となって汚れと一緒に脱落していきます。

顆粒層
角質層の下にあり、下から細胞分裂によって作られてきた生きている皮膚細胞の最前線です。
この層で、外部からの細菌や化学物質の侵入を阻止するバリアの役割をしています。

有棘層
表皮の中間部にあり、表皮の細胞をその下の基底層とともに作り出し、表面の方へ押し上げていきます。
表皮を構成する層の中で、最も厚い層(8~10層)となっています。
有棘層の表皮細胞は、有棘層下層側では多角形ですが、上昇するにしたがい扁平となります。
また、真皮の血管からしみ出したリンパ液が流れ、表皮に栄養を供給します。

基底層
真皮と境をなす表皮部分の最下層に位置し、基底細胞1層から成り立っています。、
血液から運ばれてきた栄養を受けて発育し、やがて分裂して細胞をつくり、上に押し上げて表皮細胞を作り出します。
基底層の中に一定間隔でメラノサイトというものが存在します。
メラノサイトは、真皮に紫外線がとどかないよう、メラニンという色素を放出し、紫外線から守る役割があります。