スピッツ歌詞研究室 オリジナル小説
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P  [作者:ショコラ]

■3

・・・・
大体、君の話の内容は分かってる。
別れよう って言われるってことくらい

分かってる。


この電話に出れば すべてが終わる。


そう思っていても、僕には
君からの電話を無視することはできなかった。
ずっとずっと毎日待ち焦がれていた
君からの電話だったから・・・


もちろんその電話で君が言ったのは


「別れよう」


分かってたことだとしても
実際言われるとやっぱりツライ。

なんで? と聞く意味などない。

君だって分かってるんだよね。


もうすぐ離れ離れになること。

だから今から別れようって言ったんだよね?


あのあと沈黙が続き君は何度も言った。
「ごめんね」って。

君の声は震えてた。

きっと泣いてるんだろう。

悲しい別れだけど仕方ないことだね・・・。


その夜、僕はいっぱい泣いた。
男としてのプライドなんて忘れて
ただ泣きじゃくった。



そして卒業式の日――
僕等は何も言わずにわかれた。


時の流れは速いな・・・。
だって君に告白した日はもう約1年前。


大好きな君といる時間はあっという間だった。
君のいない未来
考えるだけで生きているのがイヤになる。


きっと僕は
1人で歩けるほど立派じゃない。

すぐにこの世界からすべり落ちてしまうだろう。


でも仕方ないんだ・・・・。



あたりまえだった。
君がそばにいること。


でもこれからは違う。
君がそばにいないことが当たり前になってくんだ・・・

 



↓目次

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