スピッツ歌詞研究室 オリジナル小説
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P  [作者:ショコラ]

■4

そんな気持ちのまま
高校生になった。


高校生になっても、未練がましい僕は
ずっと君の事を考えてた。


あの空き地に行けば
君に会えるんじゃないか って思ったり。


君に会ったときに笑えるように
笑顔の練習したりとか。


バカバカしいけど
これで精一杯なんだ・・・。



それから毎日同じような日々が続いて・・・

君と会えなくなって丁度1年がたった。
1年前の今日、卒業式があったんだ。


今日くらいはいいよね・・・


そう思ってあの空き地に行ってみた。

あの頃の僕等がそこにいるように
まったく変わってないこの場所。


深くため息をついて
空を見上げた。



ふと人気がしてふりかえると
目の前には君がいた。

驚きのあまり声がでない。

君も僕も何も言わずに立ち尽くした。


君に会ったら笑えるように
練習してた笑顔だって


笑ってみたけど
すごくぎこちなくておどけてた。

寂しさが混じった笑顔だっただろう。


君と会ったことで
ずっと心にしまってた あの頃の記憶がよみがえった。



じっと見てた君の目から
一筋の雫がこぼれた。


どうしよう と焦っていると
僕もそうなんだ と気づいた。



先に泣いてたのは僕の方だった。



あの頃からずっと
君への気持ちは変わってなかった。

消そうと思っても消せなかった炎。


どちらからともなく
あの頃みたいに強く抱き合った。


世界が違うから付き合うことはできない。


ただただ溢れる
互いの寂しさをぶつけ合うように・・・


その時見た空も
あの頃とまったく変わってなかった。


君と見る空は すごくキレイだよ・・・。

 



↓目次

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