スピッツ歌詞研究室 オリジナル小説
スピッツ歌詞TOPオリジナル小説魔法のコトバTOP>03

ホタル  [作者:みかん]

■ 3

帰り道。いつもは友達と寄り道しながら帰るのだが、委員会の事情で残ることになってしまった。
正直言ってめんどくさいのだが自分から立候補したのだから仕方ない。
だから一人で帰るのだが……。
肩に叩かれた。何があるのだろうか。
「こんにちは。」
この声は! あの子じゃん。名前は知らないけど。
一回きりだと思っていただけに内心興奮してる俺がいる。
「同じ学校だね。違うクラスだから気づいてなさそうだけど。」
そうなの? じゃあ、あのシルエットは妄想のせいじゃなかったということ?
「学区が木野中で一緒? ごめん、気づかなかった。あっ、もしかして行くときこの道を通った?」
笑顔がかわいい。
「そうだよ。通ったときに思い出したの。もしかしたらまた会えるかもしれないと思ったら今日会えたからいい日だなぁって。」
そこまで思ってくれてたんだ……。忘れられてなかった。一年前の話なのに。
「いい日だね。学校も同じだから会う機会が多くなる。急に話変わるけど名前は?」
「花園さくら。さくらって呼んで。あなたは?」
“さくら”まるでこのことが運命なような気がする名前。
「さくらかぁ。俺の名前は相沢望。呼びやすい名前で何でもいいよ。」
「じゃあ、のぞみ。呼ばせてもらうね。」
「ああ。」
お互いをしっかり見つめながら、この先に期待しようとしていた。

もしこのことをスピッツの曲に当てはめるのならば『魔法のコトバ』にする。
あの時“ごめんなさい”と言わなければこんな気持ちの良い出会いは無かったのだから。

 



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