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ホタル  [作者:みかん]

■ 2

――始業式当日。
最近の寝不足により、遅刻しそうになる俺。
学ランを着ながら飯食っていくだけの余裕はあるが、ワイシャツのアイロンがけぐらいはしたい。
だが、そうしていると間に合わない。教師がうるさい。食っていくか。
「ごちそうさまっ!」
「早く行きなさい。」
母の声。やっぱりうるさい。
「行ってきまーす。」
と、家を出る。

桜をみながら登校途中にあの女の子のシルエットが見えたような気がした。
ぜんぜん姿が変わっていない。
一年前の話なのによく覚えているなぁと俺自身思った。
「あっ!」
思わず叫んでしまった。
近くに誰もいなかったことが唯一の救いである。
見えたように見えたのはとりあえず妄想のせいにしておいた。
そうしておかないと今より現実と妄想の区別がつかなくなるからだ

 



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