スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

青春生き残りゲーム (作者:ヒロビンソン)

青春生き残りゲーム 【10】

「それは二人とも助かる方法しか考えなかったから。可能性がゼロとはっき
りと決められていない限り必ず諦めなければ答えは自ずと出る。出られるこ
とを信じ続けたからさ。それに相手も俺を信じて諦めなかったからかな。そ
してその方法だけど、凜のおかけで分かった。あのとき凜が、もし出られた
らあの雲のようなウェディングドレスを着てロッキー君と結婚したい、のと
ジュンブライドって言葉でピーンと来た。天井をあえて作らなかったのは上
から何かをして脱出するのではないのかということ。それに高さは分かるが
床の広さまで書くだろうかってね。あとジュンブライドってのはつまり梅
雨。イコール雨。それでピーンと来たんだ。もし横の部屋に海水を貯めたら
ってね。床は2、7b×2、7b×高さの10bで72、9立方メートル。水の比重は
1だから部屋を満タンにしてたまった水の重量は72、9d。そんな水が入った
部屋に斧を入れればおよそ9、8×10の四乗パスカルもの圧力で吹っ飛び小窓
に大穴があ
く。この力はだいたいトラックにひかれたぐらいの大きな力だ。あんたが言
ってた一日がかりで開ける穴を作る力だよ。」謎の男は言った。

ヒロビンソン 著