スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

青春生き残りゲーム (作者:ヒロビンソン)

青春生き残りゲーム 【5】

「何か、何かあるはずだ。二人とも助かる何かが…。」俺は気休めのような
言葉をただ連呼するだけだった。
「ホースを使って上に上れないの?もしくは斧を使って小窓をぶち破れない
の?」と凜は言った。だがホースは確かに百メーターくらいあって蛇口につ
ないでもかなり余裕があるのだが、ホースは滑る上にひっかける場所がな
い。それに小窓はかなり厚く一日斧で叩いていなければ穴が壊れそうにもな
い。それに十回しか使えないのだ。
「他のやり方を考えよう。」考えが思いつかずただ時間だけが過ぎていっ
た。時間が過ぎるほど二人の体力は消耗していった。
「もう助からないよ。私が死ぬから私の分まで生きて。」
「何言ってるんだよ。まだ分からないよ。諦めたらそこで終了だよ。それに
俺、凜ちゃんとじゃなきゃ生きてても意味ないよ。」ついに言ってしまっ
た。俺は告白というのをとっさにやってしまった。

ヒロビンソン 著