スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

青春生き残りゲーム (作者:ヒロビンソン)

青春生き残りゲーム 【4】

「ふざけるな。」
俺は叫んだ。凜は泣いているばかりだった。
「どうする?」
「私まだ死にたくない。」
「俺も。二人とも助かる方法考えよう。」
とは言ってもこの東京ドームのスイッチの周辺には目を凝らせば無数のガイ
コツが落ちていて、なかには殺されたのであろうバラバラにされたガイコツ
もあった。
「何人ここで死んだんだ?」と俺は思ったが、凜のことを考えると明るく振
る舞うしかなかった。すると凜は、
「やっぱり一人しか助からないよね。」俺が思いたくなかったことをストレ
ートに言ってきた。
「えっ?でも…まだ、不可能じゃないかもよ。ただ今までの奴が…」
「でも、死んでるんだよ。リアルなんだよ。ゲームじゃないんだよ。」と茜
空の目をこすりながら俺に言った。その声は震えていた。

ヒロビンソン 著