スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

群青 (作者:金魚)

群青 【10】

―気づいたら俺は廃墟に中にいた。
どうしてここに居るんだっけ?

あぁ、そうだ。

俺はあの部屋から連れられたとき、
やつらの中の誰かに思い切り腹部を殴られて
気絶していたんだ。

目の前には鉄の棒を持った奴らが気味悪い笑みを浮かべていた。

その中から俺の辞表を受け取った奴が出てきて

「そこまで言うのなら死んでもらうぞ」

と俺の顔を強く蹴った。

そして奴らに合図をした。

一斉に奴らは俺を取り囲み鉄の棒で
俺を殴り、蹴ったくり・・・・

途中ソイツの笑う顔が見えた。


俺は何度も意識を失った。

口からは何度も何度も血を吐き出した。



いつまで殴られただろう。

遠のく意識の中でソイツが

「もういい、こんなカスはもういらん。」

と俺の顔を踏みいじったとこまで覚えている



ぞろぞろと奴らが去っていく中で

俺は安堵でいっぱいだった。

―やっと・・抜け出せる・・・

目からは涙がこぼれた。


廃墟の中で独り、意識が遠のいていった。

金魚 著