スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

群青 (作者:金魚)

群青 【9】

「なんだ?」

とどすの利いた恐ろしい声がドアの向こうからして、
俺は、

「失礼します」

と言って中に入った。
中にいた人物は俺を見たとたん、
恐ろしい目をさらに恐ろしく光らせて

「お前か。昨日はよくあんな舐めた態度を取ってくれたな」

とあざ笑った。
しかし、ソイツの目は笑っていなかった。
むしろ怒りで目を燃やしていた。

俺はソイツがなんか言う前に
机の上に「辞表」と書かれた紙を置いた。

ソイツの顔から笑いが消える。

「お前、何をしてるか分かっているのか?許されることじゃないぞ!
 ワシ等を裏切るんか?今更何を考えてる?」

と、俺の顔につばを吐き散らしながら怒鳴った。
俺は何も言わずにじっと耐えた。
ソイツはいすから立ち上がり、吸っていたタバコを俺の腕に
なすりつけながら

「今更抜け出せるとでも思っているのか?あ”?」

と、俺の耳元で大声で叫んだ。

俺は腕の痛みを我慢しながら

「警察に言うつもりはありません。」

と言った。
ソイツは鼻で笑って、

大声でドアの向こうに向かって

上の身分の奴らを呼んだ。

ドアから次々と上の奴らが入ってくる。

ソイツは奴らに何か指示すると
奴らは俺を連れて部屋を出た。

ソイツは気味の悪い笑みを浮かべて
後ろをついてきた。

金魚 著