スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

夢の世界へ行けたから (作者:笑顔)

夢の世界へ行けたから 【7】

『あのね、その首飾りは、信じられないかもしれないけどすごい力が
あるんだ…、昨日の夢は、その首飾りのせいで見たものなの』

何の事だか、まだよく分からなかった。

『首飾りのせい?』
『うん、その力で、夢の世界へ行く扉が開くんだよ』

夢の世界?…あっ!昨日夢に出てきた奴の言ってた。
確か…

『それで、多分、今日も夢の世界を信じるかって聞かれる、そしたら
絶対に、はい!って答えるんだよ?いい?』

『うん…でもなんで、お姉ちゃんはそんな事知ってるの?』

『私は、前にいったことがあるから…』
『そうなんだ…』

姉ちゃんは、悲しそうな顔をしていた。

『どうしたの?』
『現ニ、夢の世界はね、自分の夢を叶えるための所でもあれば、
自らを強くする所でもある、自分を忘れたら、死ぬからね…現ニ』

『え!』

姉ちゃんが本気な顔をして言っていた。

『嘘じゃないからね、強くなりなさい!大切なものを見つけておいで
現ニ、それと、絶対に死んじゃダメだからね!』

『うん、分かった…』

『戻っていいよ』

『うん』

僕はそういって、姉ちゃんの部屋を出た。
そして、あっという間に時間は過ぎ、寝る時間となった。

『姉ちゃん…』

『うん?どうした現ニ』

『…いっ…あ!なんでもない!お休み!』

『おやすみ…』

本当は、行って来るね、って言いたかった

笑顔 著