スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

幸せへの約束 (作者:milk)

幸せへの約束 【5】

「松重、遅いって。」

「ごめん、お財布見つからなくて・・・」

「そっか。・・じゃ、行くか?」


俺は今日がとても待ち遠しかった。

誘う時は、断られたらどうしよう・・・とか思うと、緊張せずにはいられなかった。

それに、なんと言っても初デートだ・・。
昨日はろくに寝れていない・・・
彼女に後悔はだけは、させたくない・・・


「・・しーらーかーわー!!」

「?!」

「何、ボーっとしてるの?」

「いや、別に。」


眠たいだなんて、言ってられそうにないようだ。

そんなことを考えていたら、期待と不安で胸がいっぱいになった。


電車に乗ると、すごくテンションが上がった。
でも、松重が意外と落ち着いているので、俺もあまりはしゃいだりはしないようにした。


電車に揺られながら、隣に座る彼女は、清楚な格好で、なんだか可愛らしかった。

考えたこともなかったけど、彼女の制服以外の服装なんて、あまり見たことが無かった。

そのせいもあって、とても新鮮だった。


海はすこしずつ、近づいているようだった。


そして朝もすこしずつ、近くへ、来ているようだった。

milk 著