スピッツ歌詞研究室 オリジナル小説
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チェリー [作者:ミルク]

■2 

―――2年後。
夕美「やったぁー♪稔梨、また同じクラスだよ!」
親友の夕美が抱きついてきた。夕美とは去年同じクラスになり、意気投合して仲良くなった。
よかった、今年も夕美と同じクラスになれて。

今日は3年生の始業式。朝一番にクラス替えの発表がある。
みんな廊下に貼り出された紙を見て、喜んだり、ブーイングしたり。
私と夕美は教室に入り、自分の出席番号が書いてある席についた。
周りは知らない人ばっかり。みんな自己紹介しあったり、プリクラを交換したりしている。
その時、担任が教室に入ってきた。今年は誰だろう?
「はい、全員席につけー」
うわっ、この声・・・。
黒板の前に立っているのは、まさしくあの柏原だった。
1年の時もこの人が担任だった。
若いし背が高いから女子に人気があるけど、正直私はニガテ。今年は厄年かな(笑)
柏原「じゃあ、自己紹介の前に席替えしようか」
みんな喜んだ。柏原は、余計な話とかしないところはいい。
柏原「くじ引きでいいよなー」
早速くじが始まった。みんな好きな棒を選んで、席についていく。私の番号は・・・
30だった。窓際の、一番後ろの席。隣はまだ誰もいない。

「あのっ、隣、よろしくね」
いつの間にいたのか、男子が話しかけてきた。
稔梨「うん、こちらこそ・・・あっ」
「あれっ、もしかして・・・花里さん?」
声が低くなってるし、身長だって全然ちがうけど・・・その顔には、かすかに2年前の面影があった。

同じクラスになるなんて、思いもしなかった。




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