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12の絆 [作者:ホタル☆]

■3

「楓。聞いた?サッカーできなくなるかもしれないって…。」

「うん。でもウソじゃないの?聞いてこようよ。」

私と楓は放課後の廊下で誰かを待ちながら本を読んでいる空を見つけた。

「ねぇ。サッカーやらせないって本当?」

私が勢いよく話した。空と目が合った。

「うん。」

何でだろう…涙が出てきた…。

「先生、空がもうサッカーやらせないって言った…。」

私と楓は先生にチクった。無意味なんじゃないかと思ったけど、どうしようも
なかったから。

「空君呼んでくるね。」

先生は空を呼んで来た。涙が余計に出てきた。

「サッカーやらせないって言ったの?」

と先生。

「うん。」

と空。

「どうして?」

と先生。

「ランドセル取ってって言ったのに、ヤダとか言ってきたから。」

と空。

「言ってないもん!!」

と泣きながら私。

「夜霧は言ってないよ。でも楓が言ってた。」

と空。

「でもサッカーとは関係ないじゃん…。」

と泣き始めた楓。

「じゃぁ、この話はなかったことにしようか。明日から一緒にサッカーやる
んだよ。」

と先生がしめくくった。

「はい。」

一応私はうなずいた。



あぁ、あの時なんで泣いてたんだろう・…。
いつからサッカーを恋しく思ってたんだろう…。
変なの…。


次の日。私はいつもどおり朝早く学校に着いた。

(よし。いつもどおりにサッカー行くぞ!)

私は階段を駆け下りていく。…あれ?
空がいない。いつも私より早くサッカーに来てるのになんで?

「そらは?」

「仲金たちとサッカーしてるよ。」

夢月が答えた。私は空を目で探した。
やっぱり仲金たちといる…。心がもやもやした。何でかなぁ?
不思議な感覚だった。




↓目次

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