スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

花の写真 (作者:みなみ)

花の写真 【2】

春になり、僕は専門学生になった。

バイトして貯めたお金で自分専用のカメラも買った。

カメラ屋さんで何時間も悩んで悩んで買ったカメラだ。

入学式の日、
ふらふらと学校内を歩いていると
あのひまわりの先輩に再会した。

胸が高鳴る。

「あっ体験入学のときの!君ここに入学したの?」

僕のこと、覚えててくれた…!

「はい。これからよろしくお願いします。」

「そっか〜こちらこそよろしく!
あっそうだ!
ねえ、一年生の初めのほうは先輩と組んで一緒にフィールドワークするんだけど
よかったらあたしと組まない?」

意外な申し出だった。

断る理由なんてない。

「僕でいいんですか?お願いします!!」

「よしっ決まりだね!
じゃあまたフィールドワークの日に!!」

僕は先輩が僕を選んでくれたことが嬉しかった。

早くフィールドワークしたいな。

そしてフィールドワークの日。

一日中外を駆け回っていろんな写真を撮った。

人物、風景、花…

すごく楽しかった。

先輩は花に詳しくていろいろ教えてくれた。

でもやっぱり今日撮ったどの花よりもひまわりが1番キレイだと思った。

「先輩、あの写真のひまわりってどこで撮ったんですか?」

「あのひまわりはあたししか知らない場所で撮ったの。
毎年行くところ。
夏になったら特別に連れてってあげるよ」

「本当ですか!」

先輩の特別な場所に連れていってもらえる!

あのひまわりたちに会える!

僕は夏が待ち遠しかった。

みなみ 著