スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

eternal2 (作者:ナナ)

手を伸ばす 【10】

 〈深谷アオイ〉のネームプレートの前で、ユウトは深呼吸をしていた。
 ここに、この名前がある時点で退院していないことは明白だった。
 出来れば、目を覚ましているほうがいいが、きっと目を覚ましていないのだろう。
 そう思いながら、ドアに手をかけた。

ナナ 著