スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

青春生き残りゲーム (作者:ヒロビンソン)

青春生き残りゲーム 【17】

「アーーーッ!グァーーー!ダァーー!」と叫び声が聞こえた。B男の叫び
声だ。なんとB男の体が上から落ちてきた巨大な岩につぶされた。
グシャグシャ、メキメキ、キシキシ、バキバキという凄まじく骨の折れる
音。
「いつ聞いてもたまらないわ。この音は私を何度も喜ばしてくれるの。うー
ん。たまらない。もっとうめき声を上げて。」
と女の声。
そう黒幕はA子だった。このA子という女は人の叫び声やうめき声や体のき
しむ音が好きで何度もこのゲームを仕掛けてはこの声を聞いていた。

「やっぱり挑発して防弾チョッキに弾を発射させるのはたまらないわね。な
んちゃって。でもどうして分からなかったのかしら…一番初めだって私から
扉を出たのに、D也のときだって殺虫剤の音でD也の言ったことが聞こえる
わけないのに。バカね。じゃあ、また次のバカでも探しに行きますかな。」
とまぁ世の中にはおかしな人間はたくさんいる。
「あっ。次のゲームのときはこの○○呼ぼうかな。あっ、この××っていう
のも良いな。それから…」こうしてA子の新しいゲームはまたスタートし
た。
新たな叫び声を聞くために……

ヒロビンソン 著