スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

タイム・カプセル (作者:えりんこ)

タイム・カプセル 【25】

「あーおいしかった!」

満足そうに笑った。

「そうですか!?よかったです!」

未来はほっとした。

「なんかすいません…のそのそ上がり込んじゃって…」

草野はちょっと声を小さくした。

「ホントよ!」

未来は少し怒った。草野はビックリして何も言えなかった。

「…嘘ですよ! 相変わらず変わってないんだからー」

その一言を聞いた瞬間、草野はさらに目を大きく見開いた。



















































「え? 今なんて?」




















草野は聞き直した。



























「え?いやー昔から変わってないって!」


「俺の名前は?」


「草野正宗。 アサリの味噌汁で感動した、おっちょこちょいな人です!」

未来は笑って答えた。

「俺のこと、覚えててくれたの?」


「当たり前じゃないですか!」


「あーーよかったーー!!」

草野は天高くガッツポーズをした。


「おかーさん!」

隣で未紀もくすくす笑っていた。

「いつまでとぼけてるかと思ったらー!マジで草野さん心配してたって!」

今度は腹を抱えて笑い出した。


「もーなんだよ! 似たもの親子だなー!」

草野は少し怒り口調で、でも笑っていた。

えりんこ 著