スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

タイム・カプセル (作者:えりんこ)

タイム・カプセル 【21】

起きるやいなや大きなあくびをした。

「え!もう夜かよ!」

隣を見ると、未紀が小さな寝息を立てて寝ていた。

「そーだ、酔って寝たんだ。水飲もうー」

草野は布団から這い出て、水を飲みに水道へ向かった。

途中のテーブルに料理とメモが置かれていた。


「草野さんへ。 これ食べておいてください。 未紀」


「はーい。」


草野はメモを読むと、水を飲み、置いてあった料理を食べた。


「さすがに寝られないなー。何しよう。」


考えてはみたが、特に何もない。


「何もないやーー! まぁいっか!たまにはガーガー寝るのも。」


草野は再び布団へもぐった。


「未紀ちゃんの手、なんか小さ!可愛いなぁー」


「でもさ、君は運命の人だから、強く手をに・ぎ・る・よ〜♪」


草野はそんな歌を口ずさんで、未紀の小さな手を握った。



そしてふたりとも眠りについた。


長い夢への入り口だ。

えりんこ 著