スピッツの曲にまつわるオリジナル小説

タイム・カプセル (作者:えりんこ)

タイム・カプセル 【8】

「そうだ!帰る前にみんなのところ行くか!」

「みんなって誰ですか??」

「ヒミツ〜」

「えー!」

そんなことを話しながら未紀は草野についていくと、1件のアパートの前に
着いた。

「ここって誰の家ですか?」

「田村ん家」

田村って…と思いながらも、アパートの一室に入っていった。

「よ!」

部屋の奥で声がした。

「おぉ。草野!どうした?」

「ちょっとね!紹介したい人がいて…」

「もしかして未来ちゃんとか? ありえないと思うけど。」

「そのありえないだよ!」

そう言うと、草野は未紀を手招きした。

「!!!!???」

未紀が姿を見せると、その男は目を丸くし未紀を見た。

「ま、まさか!?」

「へへへ。って嘘だよ。この子は未紀ちゃん。未来ちゃんの娘さんだっ
て。」

「ど、どういうこと?」

いまいち状況を読み取れていないようだ。

「とりあえず、説明するから!」

えりんこ 著