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めざめ [作者:あつこ] ■8 俺はどうしたら良いのか分からぬまま、寂しそうに残った左手を握ってみた 泣き終えると彼女はすぐに立ち直ったようにして立ち上がり、段差を登って柵に手をかけた 「友達がね、好きな人出来たんだって」 「私そんなの全く気づかなかったし、そんな気さらっさら無かったのにさぁ、 「そんな、」と俺は言いかけてサオリさんは振り向いて笑いながら言った 「サ、サオリさんは悪く無い、きっと」俺はたどたどしくそう言うと 俺は、サオリさんが俺なんかにそんなことを言ってくれたのが嬉しかったのと同時に でも、確かにもっと知りたいと思った。 ああ、そうか。 この気持ちは、きっと――――。 遠くから甘い、香りがした。そんな気がした
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